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火暗しepisode♯1.「責任は誰が」

 
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火暗し
火暗し 1995年3月14日生 京都府出身・在住 愚直な言葉をpoetry-readingに落とし込み 全国各地のライブハウス,路上,BARやカフェなどで ライブ活動を続ける。 高校時代からいくつかのバンド活動を経たのち、 現在のスタイルに行き着く。 無理して尖るのはやめました。

前回のお話し episode 0

バイトを始めた僕は給料日になるとバイト先から家とは反対方向にあるブックオフに自転車を走らせ、2万円分くらいCDを買い漁った。
手がかりはなく、とにかく「なんか聞いたことあるバンド名」とか、「なんか見たことあるジャケット」とか、そんな理由だけでどんどんカゴにCDを入れた。
家に帰るまでの間に10枚くらい落としてケースを割ったこともある。絶望。

最初は自分が良いと思える音楽に出会うことは少なかったが、バイト先で仲良くしてもらっていた社員さんにRANCIDとLINKIN PARKのアルバムを貸してもらって、メロコアやパンク、ミクスチャーにどハマりする。
国内のバンドではFACTをよく聴いていたが、「もっと激しいのくれよ」と思った僕はV系のバンドを掘り下げることになる。DIR EN GREYを友達に教えてもらったときは衝撃的だった。

17歳。
高3の夏。


同級生と組んでいたバンドが受験勉強を理由に解散。
僕は進学するつもりもなかったし、ライブがしたかったのでバンドを探し始める。
メンバー募集サイトやmixiを毎日覗き込み、ようやく見つけ出したのが大阪のバンド。
当時全国で盛り上がりを見せていたメタルコア/スクリーモと呼ばれるラウドミュージックをやっているバンドの、「ボーカルが抜けたから探している」という記事をmixiで見つけ、即連絡を取る。
翌、日曜日にスタジオへ行き、ボーカルとしての加入が決定した。
クリーンボーカルの人が先に加入しており、僕はシャウトボーカルとして。
文化祭でマキシマムザホルモンとpay money to my painのコピーをやったから余裕っしょ。くらいの感覚で。

毎週大阪まで行きスタジオ練習。
曲が完成してきた頃に宅録でレコーディング。
今でこそ当たり前になっている音楽活動のルーティンが、自分にとっては何もかも新鮮で刺激的だった。
ただ、曲を作っている最中、自分にもメンバーにも、感動したことは一度もなかった。

三ヶ月ほどの準備期間を経て、いよいよ初ライブが決まる。
「この曲ヤバい…!」と感じられるような曲を作れないまま。
場所は大阪アメ村のど真ん中に位置するライブハウス。
僕はもう、本当にこの日のことを覚えてないけど、正直このバンドでライブをして手応えがあったことは一度もなかった。
でも、他のメンバー達は毎回満足そうだったし、打ち上げだけはめちゃくちゃ気合いを入れていた。
その頃のライブハウスのイメージは「打ち上げをする場所」だった。
曲やライブのクオリティはさておき、バンド活動とはこう!
と、メンバーからもライブハウスの人にも教えられ、僕も必死になってイエガーやテキーラを飲んだ。
始発の電車で京都に帰り、駅のホームでめちゃくちゃ吐いたりした。
駅員のおじさんが「僕も君くらい若い頃はよく先輩に飲まされたよ」と言いながら背中をさすってくれた。
「そんなんいらんねん」と思った。

そのまま仕事に言って爆ギレされたこともあった。絶望…

途中、ドラマーやギタリストのメンバーチェンジがあったが、残ったメンバーが辞めていった人をめちゃくちゃ馬鹿にしてたりして、それを注意したくらいから険悪ムードが漂い始める。

高校卒業後も活動を続けていたが、完全に見切りをつけていた僕はある日のスタジオで脱退させてほしいと口にした。
スタジオのロビーでいつものように談笑している時にそんなことを言うもんだから、リーダー的な人はかなり怒って机を蹴飛ばしたりしていた。
「誰が責任とんねん」と、異常な回数言ってた。
次に決まっているライブもなく、どのレーベルとも契約しておらず、一枚も音源をリリースしていないバンドの責任がどんなものかは分からなかったが、そのまま、喧嘩別れのような形でバンドを去り、僕は違うバンドを探し始めた。

ちゃんと、自分で責任を取れるバンドを。

つづく

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火暗し 1995年3月14日生 京都府出身・在住 愚直な言葉をpoetry-readingに落とし込み 全国各地のライブハウス,路上,BARやカフェなどで ライブ活動を続ける。 高校時代からいくつかのバンド活動を経たのち、 現在のスタイルに行き着く。 無理して尖るのはやめました。

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